FSC
(Photo: © Eric Goethals / FSC)

FSC(森林管理協議会)認証

最近、インテリアグッズや建築関連、紙製品でよく見かける、「FSC認証」という言葉と上記写真のマーク。
いったい何なんだろう、と思っている方も多いのでは。

FSCとは、Forest Stewardship Counsilの略称で、日本語で言えば、森林管理協議会のこと。FSC認証を得ているということは、社会的、経済的、環境的にきちんと管理された森林から伐採された木を使用して生産された製品である、ということです。

きちんと管理された森林?
そういわれても、なんだかよくわからないですよね。
実は、木材や森林の伐採に関しては、さまざまな問題が絡み合い、世界で統一して森林を管理しないと大変なことになってしまうのです。

まず知っておかなくてはならないのは、世界中で森林がどんどん消滅しているという事実。
本来地球の生態系にとってなくてはならない量の良質な森林の数、面積が減っていることで、温暖化が加速したり異常気象が発生したりという現象が起こっているのです。

では、なぜ森林が減少しているかというと、森林を伐採して他の用途(レジャー施設や農作物の栽培など)に利用したり、違法に木を伐採して売買したり、誤った森林管理が行われたり(たとえば、有害農薬の使用、遺伝子組み換え種の植林、単一種の栽培、児童労働など人権損害など)、と、理由はさまざま。
でも、こうしたことが起こってしまうのには、人口増加、貧困、先進国の大量消費など、深い事情が絡んでいるのです。

森林が減少する原因のひとつに、保護されるべき森林から勝手に木を伐採する、違法な森林伐採があります。
違法伐採が少ないであろう日本人である私たちにとっては、こうした事実を聞いても、「へえ、世界のどこかでそういったことが行われているんだなあ」と、異国の地の出来事として聞き流してしまうかもしれません。
でも、これは、先進国の代表ともいえる日本人の私たちこそが考えなくてはならない問題なのです。

違法に伐採された木材で作られた商品を使用しているのは、日本人を始めとした先進国の私たちです。違法に森林伐採が行われるのは、違法伐採してでも木材を欲しがる先進国の人たちがいるからなのです。
売れない木をそのまま植えておくより、伐採してもっとお金になる(=先進国の人たちが欲しがる)農作物を育てるために違法伐採が行われることもありますし、森林を伐採しないまでも、売れる木材種だけを植えることで、生態系が崩れて森林が破壊されてしまったり、早く育てて売りたいがために大量に農薬を使用し、森林の下に眠る土や水が汚染されてしまうこともあります。

日々食べるものすらなくて辛い生活を送っている人からすれば、売ればお金になるのなら、違法だろうが伐採したい、農薬を使いたい、と思ってしまうのも仕方ないことかもしれません。
食糧を得るためには労働しなくてはならない、だから労働力となる子供をたくさん産む、それが人口増加につながる、そして働けど働けど食糧が足りなくなる、という悪循環。そして、未来のことより今の食糧を得るために、森林を伐採してもっとお金になる農作物を育てる、木を切って売る、という発想による森林の減少。
こうした事象を起こしている大きな原因には、先進国の大量消費があるのです。

ですから、伐採する側を取り締まるだけでなく、伐採された木を消費する側もこの事実を理解し、世界全体で協力して森林を管理していかなくてはならないのです。

そこで生まれたのが、FSC。
世界の森林を守るため、森林管理の基準を設定し、認証マークを保証し、認定作業を行っています。
FSCでは、自然森林を他の土地利用に変えること、有害農薬の使用、遺伝子組み換え種の使用などを禁止し、森林伐採時の人権侵害にも注意を払っています(詳しい基準はFSCのウエブサイト参照)。

木材製品を扱う企業や団体は、FSC認定を受けることで、きちんと管理された森林から伐採された木で作られた製品であることを証明できます。
認定を受けるためには、まず申請をし、FSCや関連団体による様々な審査を経た後、指定認証機関による認証作業が行われます。認証された団体や森林は、一年に一度、その基準が守られているか監査されるので、一度認証されたからといって後は適当にやって大丈夫ということはありません。

実は、昔は、FSCのような森林管理の認証団体が、多数存在しました。
ただ、その審議が信頼できない、あるいは認証団体が多すぎて消費者が混乱する、などの事情があり、1990年、米カリフォルニアで世界中の木材関連業者や 環境団体などが集まり、議論を重ね、世界で共通する森林管理組織の必要性を認識。1992年、リオ・デジャネイロの地球サミットでの承認を経て、1993 年カナダ、トロントにて26カ国130名が参加し、FSCが発足したというわけなのです。
現在FSCは46ヶ国以上にオフィスがあり、世界的なネットワークを持つ信頼できる組織となっています。

生産者はFSCの認証を受けることで、消費者はFSC認証商品を選んで購入することで、森林を守り、地球を守ることになるのです。

森林は、海や山と同様、地球にとってはなくてはならないもの。
清水を作りきれいな空気を提供してくれます。
森林があるからこそ、私たち人類や動植物が地球で生きていけるのです。

地 球というのはすごく効率的な仕組みになっていて、生態系に従って動植物が生きている限りでは、地球温暖化や異常気象が起こることは本来ないはずなのですが、産業革命以降、人類が生態系に従わないやり方で生活してきたため、温暖化を初めとする今のような危機的状況に陥ってしまっています。

生態系に従わないやり方というのは、森林伐採もそうですが、石油や水、土など、必要以上に自然資源を使ってきたことや、自然界ではありえないような有害物質を作り出して大気や水、土を汚染したこと、必要以上の人口の増加、いろいろなことが挙げられます。
今の世の中を見てみると、不必要なこと、不自然なこと、無駄なこと、ってたくさんありますよね。今の私たちの贅沢な生活自体が、生態系に従っていないということなのかもしれません。

地球は人間だけで成り立っているわけではありませんから、地球と人類が共存できる世の中になるよう、いまいちど自分の生活を見直す必要があるのではないでしょうか。

必要以上に物を買わない、木製品や紙が必要な場合は、FSC認証のついた商品を購入するよう気をつける、食品を購入するときは農薬で大地を汚していないオーガニック商品を選ぶ、といったひとりひとりの努力が、地球温暖化を防ぎ、私たちの子孫のためにきれいな地球を残していく一助になります。

今度FSC認証マーク付の商品を見かけたら、ちょっと立ち止まって考え、そして周りの人にこうした事実を伝えてみてはどうでしょう。小さな地球への貢献が、幸せな一日をもたらしてくれるかもしれません。

Forest Stewardship Counsil
ウエブサイト:http://www.fsc.org/

日本森林管理協議会
ウエブサイト:http://www.forsta.or.jp/

2008/07/23