遺伝子組み換え食品、本当に必要?Vol.1

未だ安全性が立証されていない、遺伝子組み換え食品。
知らずに私たちの口に入っていること、ご存知ですか。

アメリカでは、遺伝子組み換え食品の表示は義務付けられていません。
日本では、表示が義務付けられているものの、例外規定が多いため、どの食品に遺伝子組み換えが使用されているか消費者には判断しきれません。
そして、日米ともに、適切な検査がなされないまま、遺伝子組み換え食品が店頭に並んでいます。
私たち消費者は、何も知らされることなく、安全かどうかも分からない食品を食べさせられているのです。

遺伝子組み換え食品とは、人工的に遺伝子を組み換えた食品のこと。
病虫害に強い遺伝子や、寒さや乾燥に強い遺伝子を組み込むことで、生産効率を高める効果があります。
また、栄養価の高い遺伝子や、坑アレルギー性遺伝子を組み込むことで、栄養不足を補ったり、アレルギー抑制効果を狙うものも出てきています。
食品自体の遺伝子を組み換えていなくても、遺伝子組み換えされた食品添加物が使われていることもあります。

特に広く流通しているのが、害虫と除草剤に強い遺伝子組み替え食品。

害虫に強い組み換え食品というのは、害虫に対して殺傷性のあるバクテリアや細菌の遺伝子を野菜に組み込んだもの。
栽培時に害虫の発生を抑えられる効果があり、殺虫剤の使用が減るので環境に良いという名目の下で販売・使用されています。
ところが、野菜についている殺虫剤は洗って皮を剥けば多少は落ちますが、遺伝子に殺虫性が組み込まれてしまえば、洗って落とすわけにはいきません。
そうした野菜を動物や人間が長期に亘って食べ続けるとどうなるか、その研究はまだ十分になされていません。

一方、除草剤に強い組み換え食品というのは少し複雑です。
除草剤とは、野菜や果物の成長を妨げる雑草を枯らすために作られた農薬。
ところが、野菜や果物も雑草と同様に植物ですから、除草剤を撒くことで枯れてしまう種があります。
そのため、農薬会社は、雑草だけが枯れるよう、作物ごとにさまざまな種類の除草剤を開発しています。
しかし、ひとつの農場で多種の作物を育てている場合、複数の除草剤を散布しなければならず、大変です。
そこで農薬会社は、自社の除草剤に負けない遺伝子を組み込んだ野菜を開発したのです。
それが、除草剤に耐性のある遺伝子組み換え品種。
この種の野菜や果物を栽培すれば、農家は複数の除草剤を撒く必要がなく、農薬会社は除草剤とその除草剤に強い遺伝子組み換え野菜の種をセットで販売できます。

つまり、殺虫性・除草剤耐性の遺伝子組換え食品は、農業従事者や農薬会社に対してメリットがあるだけで、私たち消費者にとってのメリットはありません。

そのうえ、最近の多くの研究から、遺伝子組み換え品種や除草剤に耐性のある強力な害虫や雑草が出現していることが判明しています(Wall Street JournalReuterなど)。
暖かい地域に住む人が暑さに強く、寒い地域に住む人が寒さに強くなるように、虫や植物も環境に適応していく力を持っています。
どんなに殺虫剤や除草剤を撒こうと、害虫や除草剤に強い遺伝子に組み換えようと、それが効かない耐性種が出てくるものなのです。
つまり、農薬も遺伝子組み換えも、自然界とのイタチごっこに過ぎず、根本的な解決にはならないのです。

遺伝子組み換え食品を開発・販売する企業は、作物の収穫量が増えることで貧困問題の解決に寄与すると、社会貢献のメリットを主張しています。
ところが、遺伝子組み換え技術の利用によって必ずしも収穫量が増えるとは限らないことがわかっています(憂慮する科学者連盟のレポートなど)。
それに、貧困の原因は分配の不均等が大きな要因であって、食品の量を増やすことが解決策にはなるわけではありません。

また、栄養価の高い遺伝子を組み込むことで、消費者の健康効果を強調する向きもあります。
しかし、栄養は普通の食品から採れるので、敢えて遺伝子組み換え食品を選ぶ必要はありませんし、特定の栄養素を強化する必要のない人が知らずに食べ、逆に問題が起こる可能性もあります。

食糧不足や医師・薬不足が深刻な問題となっている途上国の人々に対して、栄養価の高い遺伝子や、ワクチン・薬となり得る遺伝子を組み込んだ食品を提供すれば、途上国の問題解決に役立つという意見もあります。
ところが、特定の栄養素だけを摂取しても包括的な栄養不足の解決策にはなりませんし、栄養素ならまだしも、ワクチンや薬となるような種子・食品が拡散すれば、そうとは知らずに食べた健康な人に害を及ぼす可能性もあります。
2002年には、飢饉に見舞われたジンバブエとその近隣諸国が、アメリカから寄付された遺伝子組み換えとうもろこしの受け入れを拒否し、議論を呼びました(Guardian)。
このことからも、途上国のためというのは遺伝子組み換え開発国の名目に過ぎず、必ずしも当事国のためにはなっていないことがわかります。

政府や開発企業は、遺伝子組み換え食品は安全だと主張しています。
しかし、これまでに、遺伝子組み換え食品を摂取した動物から成長障害や生殖障害、アレルギー反応があったという調査結果(Non GMO Projectのレポート)や、妊婦とそのへその緒から遺伝子組み換え種子が持つ除草剤代謝成分や炎症を引き起こす可能性のある殺虫性毒素が検出されたという研究結果(Rodel Institute)などが報告がされています。

また、アレルギーを持つ人への影響も懸念されます。
栄養強化の目的でブラジルナッツの遺伝子を組み込んだ大豆が開発されたことがありましたが、ナッツアレルギーを持つ人が食べても大丈夫とされていたにも関わらず、テスト段階で患者にアレルギー反応が起こってしまい、商品化が頓挫した例もあります(The New England Journal of Medicine)。
さらに、人が摂取するとアレルギーを起こす可能性があるため、家畜用としてのみ栽培を許可されていた遺伝子組み換えトウモロコシ「スターリンク」が、人の食用タコスの皮から検出され、一斉回収されたこともあります(National Counsil for Science and the Environment)。
その後、その種子の栽培は禁止されましたが、アメリカでは8年間に亘り残留調査が続けられたものの(米環境保護庁)、混入経緯は依然不明のままです。
この種は、アメリカ国内だけでなく、アメリカ産トウモロコシ輸入大国である日本やその他の国でも検出されています。

Vol2. に続く

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