シェールガス・石油掘削法の
水圧破砕法(ハイドロ・フラッキング)に連邦規制

hydrofracking

水質・環境汚染が懸念されているシェールガス掘削法、ハイドロ・フラッキング(水圧破砕法)に対して、米内務省が規制を発表しました。

規制対象となるのは、国有地とアメリカ先住民の土地。
州が所有する土地は各州の管轄となるため対象外ですが、内務省によると、連邦政府が管理する土地だけで10万以上の石油・ガス坑井があるとのこと。

主な規制内容は、以下の通り。

  • 坑井と地下水の間に、強固なセメント障壁を設置する。
  • 破砕完了後30日以内に、土地管理局のウエブサイトで、使用した化学物質を開示する。
  • 大気・水・野生生物へのリスクを軽減するため、破砕使用後に取り出した液体の一時保管に関する規制を強化する。
  • 破砕に使用した化学物質や液体が他の井戸に混入するリスクを軽減するため、企業は既存の井戸の地質、深さ、場所等の詳細情報を提出し、土地管理局が土地の特徴を加味して評価する。

規制発表に際し、サリー・ジュエル内務省長官は、以下のように述べています。

「坑井掘削に関する既存の連邦規制は30年以上前に制定されたものであり、現在行われている複雑な技術を要する水圧破砕法に適応していない。」

「今後、数百万エーカーの公有地で再生・非再生エネルギー開発が予想される中で、市民が開発の透明性、効率性、安全性、環境保護に対して納得することは非常に重要である。」

土地管理局は、今回の規制に至るまで4年にわたり調査を続け、規制案と追加規制案の発表、地域住民や利害関係者との討論会の開催、150万ものパブリックコメントのレビューを行ってきたのだそう。

土地管理局の試算によると、この規制により企業が負担する費用は、掘削費用の0.13~0.21%。

土地・鉱物管理担当副長官のジャニス・シュネイダー氏は、「この規制により、適度な費用で、公共の安全と環境を保護することができる」としていますが、石油・ガス業界団体は、発表後すぐ、規制に対して訴訟を起こしています。

これを企業の強欲と捉えるか、自身の生活を見直すかは、人それぞれ。

企業が少しでも安くエネルギーを生産しようと考えるのは、それを求める人がいるからでしょう。

日々自宅や会社で使っている電力、運転・利用している車の燃料、購入した製品の生産過程で使われたエネルギー。
これらが化石燃料なのか再生可能エネルギーなのか、どのような方法で作られているのか、考えてみることも大切なのかもしれません。

エネルギーがなくても、不便ではありますが、生きていくことはできます。
一方、水がなければ人間は生きられません。

どちらを重視すべきかは明らかなはずですが、行動に移すのは簡単なことではありません。

まずは、自身の生活の中でどんなエネルギーが使われているのか、どんな代替案があるのか、考えてみませんか。

U.S. Department of the Interior
ウエブサイト:http://www.doi.gov/

2015/03/24

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