ニューヨーク、ブラックカーもグリーンに!

Black Cars

ブルームバーグ・ニューヨーク市長が、ブラックカーもグリーン化することを発表しました。

・・・え、ブラックがグリーン ??
なんて驚かないで下さい。NYGreenFashionの読者ならもうおなじみかと思いますが、グリーンとはエコのこと。ブラックカーとは、ニューヨークではハイヤーのことを指します。イエローキャブといわれるように、流しで走っているタクシーは黄色ですが、予約して呼ぶハイヤーは通常黒か白。黒塗り の・・なんていわれるように、特に高級ハイヤーになると黒が多いのです。

ということで、ニューヨーク市ではハイヤーをハイブリッドカーに移行することを決定。
タクシーのハイブリッド化は既に進められていますが、次のターゲットはハイヤーに。特に、客待ちの間オフィス前でアイドリングするハイヤーが多いこともあり、タクシー・リムジンコミッション(TLC)との協議の上、ハイヤーの二酸化炭素排出削減量に関して市が規制することを決定しました。

市はTLCに対し、ハイヤーの二酸化炭素排出量を、現状ハイブリッドカーのみで達成できるレベルに抑えるよう要請。
現状1ガロン12-15マイルであるハイヤーの平均燃費が、2009年には1ガロン25マイル、2010年には1ガロン30マイルに規制されます。
規制が実現すると排出量は半分に減る予定。特にアイドリングの間バッテリー稼動に切り替えられれば、大きな効果が得られると期待されています。

現在ハイヤーの二酸化炭素排出量は年間272,000トンで、市全体の交通関連による排出量の2%に当たるそう。ハイヤーの規制も、ニューヨーク市の二酸化炭素削減目標達成(PlaNYC2030)のため必要なこととの判断によるものです。

もちろん、規制によってハイヤー会社を苦しめることになってはなりません。
ハイブリッドカーへの切り替えによって年のガソリン代が5,000ドル(現状の約半分)に減るため、1年で買い替えの元が取れると考えられていますが、急な支出が負担にならないよう、市は金融機関や車ディーラーなどに対し、ハイヤーの買い替えに際し頭金の大幅削減を要請しています。それに応える形で、ドイチェバンクやリーマンブラザーズが、最大手ハイヤー車サプライヤーのエグゼクティブ・トランスポーテーション・グループと手を組み、低金利ローンを提供するジョイントベンチャー会社を設立しました。

このように、ニューヨークでは、市、ハイヤー協会、金融企業、サプライヤーの関係者すべてが一丸となって環境問題に真剣に取り組んでいます。
自身の利益だけしか考えられないような政府、企業、団体は、今後淘汰されていくことになるのでしょう。

ちなみに、市によって認可されているハイブリッドカーは以下の通り。
Toyota Camry Hybrid, 33mpg (city); Toyota Highlander Hybrid, 27mpg (city); Nissan Altima Hybrid, 35 mpg (city); Mercury Mariner Hybrid FWD, 34 mpg (city);Lexus Rx400h AWD; Ford Escape Hybrid AWD; Toyota Prius

ハイヤーだけでなく、カーオーナーの個人の皆さんも、なるべく早い時期にハイブリッドカーや低燃費車に切り替え、あるいは公共交通機関や自転車・徒歩の利用に切り替えて、クリーンな環境を守りましょう!

Source: New York City Press Release

2008/02/29

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