大盛況の消費者向けエコ展示会
グリーンフェスティバル

green festival

アースディウィークエンドに開催された、消費者向けのエコ展示会、グリーンフェスティバル。

一般的な展示会ともエコイベントとも、少し様子の異なるこの催し。

というのも、主催しているのは、サステナブルな社会の実現を目指すグリーンアメリカと、人権擁護団体のグローバル・エクスチェンジという、2つの非営利団体。

サステナビリティをマーケティングに活用してひと儲けしようとするグリーンウォッシャーとは一線を画し、人々が持続可能な生活を送るためのソリューションを提供するために、10年前から全米各地で開催されているイベント。

そのため、全米最大規模のエコ展示会ながら、商業的な匂いが薄く、ハードコアなエコ企業が多数出展する、どこか手作り感が残る温かみのあるイベントなのです。

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会場は交通の便が良くないマンハッタンの西のはずれの展示場、そのうえ有料イベントであるにもかかわらず、会場内は満員電車なみに人でごった返す盛況ぶり。

出展していたのは、食品、ファッション、ビューティ、ヘルスケア、エネルギー、メディアなど、サステナブルな企業や団体なら何でもあり。

会場内の4つのステージでは、ベストセラー作家、サステナブルビジネス起業家、環境活動家など、さまざまな識者が講演。

リサイクルファッションショーあり、ミュージックパフォーマンスあり、ヨガクラスや料理のデモンストレーション、キッズ向けのイベントコーナーありと、年齢問わず1日中楽しめるエコイベント。

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出展企業の中には、ドクター・ブロナーや、リサイクルメガネのエコ、オーガニックチョコレートのテオ、エナジーバーのクリフバーなど、エコ派におなじみの人気ブランドも多数。
一方、ヘンプ製タオルやメイン州でハンドメイドで作られたウールのブランケットなど、エコマニア向けの製品も。

ビーガン・肉食問わずスムージーがブームの昨今、人気が急騰している超高速ブレンダー、バイタミックスのブースには、絶えず人だかりが。

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おもしろいアイディアで注目を集めていたのが、ハンカチブランドのハンキーブック

アメリカでは、ハンカチで鼻をかんだり、鼻をかんだティッシュを使い回す人が多いのですが、不衛生なうえ、周りにもちょっとひんしゅく。
そこで編み出されたのが、オーガニックコットン製の布を本のように束ねた、本型のハンカチ。
使うたびにページをめくれば、汚れた箇所を何度も使う必要がなく衛生的、というワケ。
赤ちゃんの口周りを拭いたり、ゴミを捨てられない遠足やハイキングに持って行ったりと、アイディア次第で用途は無限です。

そして、最近はあまり珍しくなくなったものの、ビジターの目を惹いていたのが、ゾウの糞から作った紙製品のブランド、ミスター・エリー・プー

野生ゾウの絶滅が懸念されている、スリランカ。
その主要因は、森林伐採により生息地を失われたゾウが、人間の生活区域に入り込み、射殺されてしまうから。
この悪循環を断つため、木を伐採せずに繊維質豊富なゾウの糞から紙を作り、製品化する企業が出現。
ミスター・エリー・プーでは、ゾウの糞50%、使用済リサイクル紙50%で紙を作り、ノートや日記帳、スケッチブック、便箋&封筒、グリーティングカードなどを生産販売しています。
ゾウ糞ペーパーだけでなく、スリランカに豊富にあるココナッツの繊維から作るラグなども販売。
企業を挙げてスリランカを支援する、フェアトレードブランドなのです。

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さらに、斬新なアイディアで話題を集めていたのが、マイ箸ならぬ、マイストローを提唱する、強化ガラス製ストローブランドのストローサム

使い捨てストローは、無駄の典型。
何度も使えるガラス製のストローなら、ゴミを大幅に減らすことができます。
そのうえ、プラスチック製ストローにはホルモン阻害要因の可能性があるビスフェノールA(詳しくはこちら)が含まれていることが多いため、ガラス製ストローを使うことで安全性が高まります。

そしてもうひとつ注目を集めていたのが、 養蜂セットを販売していたブラッシーマウンテン・ビーファーム。
蜂が突然消滅する、蜂群崩壊症候群は、世界中の大問題(詳しくはこちら)。
これに対処するため、ニューヨークのような大都市でも、屋上や裏庭で蜂を飼う人が急増中。
"ビー(蜂)"ギナーキットは、これさえあれば今すぐ養蜂を開始できる初心者向けの包括セット。
養蜂の仕方を教えてくれるビデオも含まれています。

さまざまなエコアイディアを教えてくれる、グリーンフェスティバル。
ニューヨーク以外にも、シカゴ、ワシントンDC、ロスアンゼルス、サンフランシスコの各都市で順次開催。
このイベントによって、多くの人がサステナブルな生活をする方法を習得すれば、遠くない将来、持続可能な社会が実現するかもしれませんね。

Green Festivals
ウエブサイト:http://www.greenfestivals.org

2013/04/23

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