フェアトレード認証済ファッション、ついに発売

fair trade usa
(Photo courtesy of Fair Trade USA)

いまでは簡単に入手できるようになった、フェアトレード認証マークのついたコーヒーやチョコレート。
でも、フェアトレード認証付のファッションは、これまで存在しませんでした。

コーヒーやカカオと同様に、農作物としてのコットンに関するフェアトレード認証はこれまでも存在していましたが、裁断や縫製なども含めたファッション製品の生産に関しては、認証を付与する仕組みがなかったのです。

"世界フェアトレード機構(WFTO)"の認証を得ているアパレル企業はあるので、正確には"なかった"とはいえないのですが、WFTOはあくまで企業や団体に対して認証を与える機関であり、各製品に対して検査・認証しているわけではありません。

また、認証を得ることなく、"フェアトレード"や"フェアレイバー"と謳っている服や小物、ファッションブランドもたくさんあり、それらが本当に公正な取引の下で生産された製品なのかはわかりませんでした。

そこで、製品に対するフェアトレード認証の国際機関である"フェアトレード・ラベル機構(FLO)"傘下のフェアトレードUSA(旧トランスフェアUSA)が、2009年からファッション製品のフェアトレード認証システム構築に取り組み始め、ようやく今年のクリスマスシーズン向けに公式にフェアトレード認証済製品が販売されました。

販売は米国内のみ

現在、フェアトレードUSAの認証済ファッション製品を販売しているのは、リバティー&ジャスティス、グッド&フェア・クロージング、HAWナウ、マギーズ・オーガニクス、トンプキンズ・ポイント・アパレルの5社で、製品はコットン製のTシャツやスゥエット、ポロシャツなど。

2011年春には、さらにプラナなど大手アパレルを含めた6社が、インド、リベリア、ペルーで生産されたフェアトレード認証済製品の販売を開始します。

フェアトレードUSAが、ファッション製品の認証に取り組むことを発表したのは09年冬のこと(詳細はこちら)。
当初、10年春には商品が販売される予定でしたが、なかなか進まず、夏ごろにテスト製品が導入され、ようやく12月に公式ローンチとなりました。

フェアトレードUSAは米国の認証団体なので、現状、ファッション製品の認証は米国内で販売される製品のみが対象になっています。

まだ参画企業も少なく、販売されている商品もわずかですが、これで公式にフェアトレードファッション製品の認証の仕組みが整ったことになるので、今後オーガニック認証のように広く普及していくでしょう。

ただし、本当にフェアトレードファッションが広まるかどうかは、消費者である私たち次第。
せっかくメーカーが生産者に通常より高い賃金を支払ってフェアトレード製品を作っても、売れなければ、作る意欲をなくしてしまうかもしれません。
もちろん、メーカー側がフェアトレードに甘んじてデザインや品質に妥協することは許されませんが、消費者側がフェアトレード製品を率先して購入するようにならなければ、社会は変わりません。

フェアトレードは、先進国と途上国の格差を縮め、世界のみんなが平等に幸せになれる素敵な仕組み。
それを実現できるかどうかは、私たちの行動次第なのです。

Fair Trade USA
ウエブサイト:http://www.transfairusa.org/

2010/12/22

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