リーバイス、リサイクルデニム断熱材の
利用促進に10万ドルを寄付

levis

誰もが1枚は持っているアイテム、デニム。
ひとことでデニムといっても、スリムやブーツレッグなどスタイルはさまざまですが、自分に合う究極のデニムが見つけるため、試行錯誤を繰り返してきた経験のある人も多いのでは。

お気に入りのデニムが見つかったら、薄くなっても穴が開いても直して履き続けたいもの。
でも、どうしてもこれ以上履けないと思うほどボロボロになってしまったら、手放す以外に方法はありません。

とはいえ、ただゴミ箱に捨ててしまってはもったいない。
そこまで着古したものは、スリフトストアや古着屋でも受け取ってもらえないのでは、と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
スリフトストアや街中にある服のリサイクルボックスに入れておけば、ちゃんと分類して再利用してくれます。

着古したデニムの再利用方法

でも、そんなボロボロのデニム、いったい何に再利用されるのでしょう。

工業用の雑巾になったり、リサイクルコットンに生まれ変わったりと、再利用の用途はいろいろとありますが、デニムは建築の際に壁や天井に使われる断熱材としてもリサイクルされているのです。

levis denim insulation
(Photo by van wagner-skrzat residence from flickr.com)
(写真はリーバイスとは関係ありません)

そこで、その事実を伝え、もっと多くの人にデニムをリサイクルしてもらえるよう喚起しようと、環境負荷削減に力を入れるデニムブランドのリーバイスが立ち上がりました。

現在建築中の建物がある非営利団体に対し、リサイクルデニム製の断熱材と通常の断熱材との差額の補填として10万ドルを寄付するというプロジェクトを発表。

申請書は、10月1日から11月21日までの間、リーバイスのウエブサイトを通して受け付けています。
申請書には、プロジェクトの趣旨や予算、デニム断熱材の使用用途やそれを利用してどのようにサステナビリティを訴えるかというような項目が用意されています。

高価で手が出ない、リサイクルデニム断熱材

なぜこのようなプロジェクトが立ち上がったかというと、リサイクルデニム断熱材は環境配慮型建築基準のLEEDに適合しているため、需要はたくさんあるものの、価格が高く、なかなか手が出ないため。
LEED認証を得られれば、団体のサステナビリティに対する姿勢を示すこともでき、それによって寄付金も多く集まるかもしれません。

リーバイスは以前からリサイクルデニム断熱材の利用促進に力を入れています。
本社ビルにリサイクルデニム断熱材が使われているほか、2008年には20,000本のリサイクルデニムをカリフォルニア科学アカデミーに寄付し、LEED認証の取得をサポート。今年初めには"公有地保護協会(The trust for public land)"という公園を保護する地元サンフランシスコの非営利団体に対し、クラブハウスにリサイクルデニム断熱材を導入するための寄付金を提供しています。

リーバイスは、自社で行ったライフサイクルアセスメントの結果、デニムのライフサイクル(繊維から布になり商品になり使われ捨てられるまで)の中で、使用時の環境負荷が非常に高いことが判明してから、自社内の環境負荷削減努力もさることながら、顧客に対して使用時の環境負荷を減らすための働きかけを積極的に行っています。

環境に配慮したデニムの使用方法を記したタグをつけたり(Careタグ)、乾燥機の使用による環境負荷を減らすため、かっこいい洗濯物の干し方コンテストを開催したりと(Care to Airコンテスト)、これまでにもさまざまな取り組みを行ってきましたが、今回もその一環として、デニムのリサイクル促進を提案しているのです。

ゴミを捨てる前に、本当にもう再利用・リサイクルできないのか、ちょっと考えるクセがつけば、より循環型の世の中になり、新たな資源を使う必要性が減っていくでしょう。
資源は限りあるもの。次の世代のために取っておけるよう、大切に使うことを心掛けたいものです。

Levi Strauss & Co
ウエブサイト: http://www.levistrauss.com

2010/10/05

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