
(Photo by Kaare Viemose, courtesy of Transfair)
フェアトレード Fairtrade
よく聞くけど、詳しいことはよくわからないことばっていっぱいありますよね。
「フェアトレード」もそんなことばのひとつかもしれません。
フェアトレードというのは、簡単に訳せば「公正な取引」ということですが、何が公正なのかというのが、なかなかわかりづらいところ。
とりあえず、細かいところは後にするとして、まずは正式な定義から。
国際的に著名な4つのフェアトレード関連組織(Fairtrade Labelling Organizations International, International Fair Trade Association, Network of European Worldshops, European Fair Trade Association)によるフェアトレードの定義を日本語訳すると、以下のような感じになるかと思います。
「フェアトレードとは、対話と透明性、敬意に基づいて行われる、公正な国際貿易を目指す貿易パートナーシップのこと。よりよい貿易条件を提供し、過小評価されがちな、特に南部の生産者や労働者の権利を守ることで、サステナブルな発展が実現できるよう貢献する。(消費者に支持されている)フェアトレード関連組織は、生産者を支え、認識を広め、従来の国際貿易の慣習やルールを変えるための活動を積極的に行う。
フェアトレードの戦略的目的は、以下の通り。
- 生産者や労働者の脆弱な立場を、安定的で経済的に自立できるものに変えるため、彼らと真摯に対峙し働くこと
- あくまで生産者や労働者自身の組織の一利害関係者という立場をふまえて、生産者や労働者に権限を付与すること
- 国際貿易が完全に公正なものになるよう、世界を舞台に大きな役割を果たすこと
(Fairtrade Labelling Organizationのウエブサイトより)」
つまり、要約すると、
これまで不当に扱われる傾向にあった発展途上国の生産者に対して、正当な貿易活動を行うのがフェアトレード、ということ。
弱い立場を守ること、公正に生きること。あたりまえのことなのに、なんでこんなことが声高に叫ばれているのかというと、残念ながら、実際はそういう世の中になっていないから。そしてその原因を作っているのは、私たちの行動なのです。
私たち先進国の人たちが今食べている、使っているものって、昔に比べたらとっても安いし、品質も高くなっていますが、これらの物がどこで作られてどのように流通して私たち消費者の手に渡っているかは、なかなか見えてきませんよね。
ご存知のとおり、今先進国の人が消費しているものの多くは、他の国、特に発展途上国で生産されたものが多いのです。
昔は、自分が住んでいる地域や国で作ったものを自分たちで消費するのが当たり前でした。でも、先進国の生活レベルが上がり、労働賃金が高くなり、逆に物価(本当に必要なものの)は安くなっていくので、自国での生産が難しくなってしまいました。そして、安い労働力を求めてまだ発展していない国へ生産業務を移していったのです。
結果、時に不当に扱われながらも、生産者が苦しい思いでがんばっているから、先進国の人たちが贅沢な暮らしができる、という構図ができあがってしまいました。
もちろん、発展途上国の人も、先進国がやってきたように経済発展に向かっていけばよいのですが、そうすることができない、生きることすらやっとな現状があるのです。そして、そうなったのには、先進国にも責任があるのです。
途上国は、昔は土地が肥沃で自分たちが食べていけるだけの豊かな作物があり、幸せに暮らしていました。それが、いつしか先進国が求める特殊な作物だけを作るようになり、単作により土地が弱り、自分たちの食べ物さえ満足に手に入らなくなりました。さらに、先進国による不当な取引によって発展するための資金すらなく、どんどん貧困に陥ってしまうという悪い循環が起こってしまっているのです。
不当な取引、というのはどういうことかというと、
本来学校へ行って勉強すべき年齢の子供たちが、貧しいがゆえに働かざるを得ず、非常に安い賃金で毎日朝から夜中まで長時間の労働を強いられていたり、
大人であっても生活のために安い賃金でも仕事を請けざるを得ず、働けど働けど貧しい生活は変わらなかったり、
発注者が十分な対価を支払ったとしても、生産者と発注者の間に入っている中間業者が不当に高いマージンを得るために生産者にはいきわたらなかったり、
ということ 。
本来勉強して知識をつけて発展に向けて将来を担うはずの子供たちが、食べるものすら十分にない状態で長時間労働していたら、経済発展などできるはずもありませんし、学校を作る資金がなくては、子供たちが勉強することすらできません。
自分たちが食べるものの栽培をやめて先進国が求めるものを作っているのですから、働いた価値に見合うだけの対価を得なくては、飢餓が発生するのは当然です。
病院を作ったり、薬を買うための資金がなくては、先進国では簡単に治る単純な病気で死に至ってしまうことも多いのです。
でも、単に寄付してお金を渡したり、学校や病院を作ってあげればよいというわけではありません。
永遠に先進国が途上国に寄付し続けることは不可能ですし、途上国にだってプライドもあります。
彼らが自立して自分たちで生活していけるようにサポートするのが、先に発展し、途上国を搾取してきてしまった先進国の役割です。
それを実現しようとするのが、フェアトレードなのです。
もちろん、自国内で自給自足ができて、すべての生活が完結できるならば、物の移動に際する環境汚染もありませんし、それが一番ですが、なかなかそれは難しい。
だからこそ、国際的に正当に貿易が行われて、各国ごとに役割分担ができて、どの国も発展して皆が幸せに暮らせるようになれば、すごく素敵な世界になるはずです。
そのためにも、フェアトレードは必要なのです。
ただし、フェアトレードが機能するためには、きちんとした認証システムがなければなりません。
メーカーや小売企業が、いくら「フェアトレードをやっています」と訴えたところでその真偽は曖昧です。だから、国際的に認められた組織が、労働状況や資金の流れをきちんとチェックして公正に取引されていることを承認しなくてはなりません。
そこでできた国際的な組織が、フェアトレード・ラベリング・オーガニゼーション(FLO)。
これまで各国にあったさまざまな認証団体をひとつにまとめ、ひとつの認証マーク(写真左下)を元にフェアトレードを管理していこうという組織です。
残念ながらアメリカ(写真右下)とカナダではまだ古い認証マークを使用していますが、日本をはじめ多くの国で統一のマークに移行しつつあります。


先進国が贅沢な暮らしをするために、発展途上国が苦しんでいる、そんな不均衡があってよいわけはありません。
単に生まれた場所が違うというだけで、そんな違いがあってよいわけがありません。
たまたま先に裕福になった国に生まれた私たちは、たまたま先に裕福になれなかった国の人たちと助け合って生きていく必要があるのではないでしょうか。
そのために私たちができること。
フェアトレードマークのついた商品を選んで購入すること。
フェアトレードのこと、世界で起こっていることを、みんなに伝えること。
日本で扱っているフェアトレード商品は、フェアトレード・ラベル・ジャパンのサイトから確認できます。
日本のファッション企業では、ピープルツリーがフェアトレード先進企業です。
みんなの力が集まれば、世界は変わっていくはず。
みんなが幸せになるためには、ひとりひとりの力が大事なのです。
知ってるだけじゃ何も変わりません。行動に移しましょう。
Fairtrade Labelling Organization(FLO)
ウエブサイト:http://www.fairtrade.net/
日本のフェアトレード・ラベル・ジャパン
ウエブサイト: http://www.fairtrade-jp.org/

