スリフトショップ Thrift Stores

Thrift Stores

スリフトショップとは、古着や家具・家電などを寄付によって集め、再販し、その収益を慈善活動や寄付に当てる小売形態のこと。
ショップは主に慈善団体によって運営されているため、スタッフはボランティアであることも多いのです。
寄付しても購入してもショップで働いても、関わった人全員が慈善活動に貢献したことになる、というすばらしい仕組みです。

慈善団体だからと侮るなかれ。
まず、商品は寄付されたものだから、販売価格はとにかく安い。
そのうえ、マンハッタンのスリフトショップには、お金持ちのニューヨーカーからの寄付が多いためか、お宝がざくざく見つかります。

収益をどのように活用するかは団体によって異なるので、支持する活動を行う団体のショップで購入・寄付するのが理想的。
でも、あくまでスリフトショップは小売店なので、実際は品揃えの良いショップがよく売れているようです。

一方、寄付する側にもメリットが。
寄付をするには、ショップに物品を持ち込むか、大きな物は引き取りにきてもらいます。
それと引き換えに、寄付した物の金額を自己申告し、レシートを受け取ります。
そのレシートを税務申告の際に提出すると、寄付した額分の税控除が受けられます。

アメリカではスリフトショップに限らず、寄付した分の税控除が受けられ、寄付することで恩恵が得られる仕組みが成り立っています。
お金持ちが節税対策で寄付するのは言うまでもなく、一般に自営・雇用に関わらず税務申告を自分で行うため、皆税金には敏感で、スリフトショップや慈善団体への寄付を節税対策と考えている人も多いのです。

また、困っている人には手助けをするのが当然という考え方が広く浸透していて、多くの人は節税とは関係なく寄付する習慣がついています。
そのため、スリフトショップで寄付しても、レシートを受け取らない人が多いのです。

ニューヨークでは、ホームレスや地下鉄構内などで演奏するアーティストたちに惜しげもなく寄付したり、スーパーで受け取ったつり銭の小銭を「Donation(寄付)」と書かれたレジ脇の箱に入れている人を多く見かけます。
あまり小さなことにこだわらない大らかな性格でもあるのでしょうが、アメリカ人は人を助けることにとても積極的。

また、消費大国というイメージが強いアメリカですが、意外にもアメリカ人は古いものを大切にします。
収入の高低に関わらず、家のインテリアにアンティーク家具や建材を使う人が多く、また、新築物件よりも築50-100年の古いアパートを好む傾向もあります。
古いものをかっこいいと思うセンス、古いものを大切にする姿勢は、学ぶべきでしょう。

物に溢れた現代社会では、まだ使えるものでも簡単に捨ててしまう傾向があります。
不要になったものでも、他の人にとっては宝物となることも。
どんなものでも、捨てずに、リサイクルショップや古着屋に売ったり、フリーマーケットやネットオークションで販売すれば、ゴミが減り、物が循環します。
また、なるべく物を買わないことも大切なことです。

ひとりひとりの行動は小さくても、小さな努力が大きな力になり、世界は変わっていくかもしれません。
その一端を担うため、ぜひスリフトショップを利用してみてください。

2008/02/17

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