Frito-Lay
(Photo by theimpulsivebuy)

スナック菓子メーカーのフリトレー、
「オールナチュラル(天然成分)」表記で集団訴訟

スナック菓子メーカーのフリトレー社が、「オールナチュラル(全成分天然原料)」と表記されている商品に遺伝子組み換え成分が混入していたことで、クラスアクション(集団訴訟)を提起されました。

対象商品は、ポテトチップスの「サンチップス」とトルティーヤチップスの「トスティートス」。

原告側は、商品パッケージに「made with ALL NATURAL ingridients (全成分天然原料)」と記載されているにも関わらず、主原料となるトウモロコシと植物油(トウモロコシ、大豆、キャノーラ)が遺伝子組み換え種子であったと指摘しています。

原告側の主張は、概ね以下の通りです。

  • 4年間にわたり、オールナチュラルの表記を信じて自身や家族のために両製品を購入し続けたが、研究機関で調査したところ、主原料が遺伝子組み換え種子であることがわかった。
  • 遺伝子組み換え種子を生産販売するモンサント社は、遺伝子組み換え生物のことを、「動物や植物の遺伝子を組み替えることでその種が本来(naturally)持っていない特性に変えることである。一般的に、望ましい特性を持つ生物から遺伝子を取り出し(コピーし)、他の生物に遺伝情報を組み込む」と説明しているので、遺伝子組み換え種子はナチュラルとは言えない。
  • 一般的な消費者は生物間で遺伝子を組み換えた種子が「オールナチュラル」だとは思わない。
  • ゆえに、トスティートスやサンチップスは原告や消費者を欺いたことになる。
  • カリフォルニア州では、消費者を欺く虚偽の広告を違法としている。
  • 損害賠償として、諸経費含め500万ドルを要求する。

フリトレーのウエブサイトでは、「made with all natural ingredients」の意味を以下のように説明しています。

「フリトレーの天然原料製チップスには、”オールナチュラル”なトウモロコシ、じゃがいも、健康的な油を使用しています。さらに、レイズ、トスティートス、サンチップス製品には、人工的・合成成分を含まない”オールナチュラル”な調味料を使用しています。これらの商品には、人工香料、人工保存料、グルタミン酸ナトリウム(MSG)を使用しておらず、一部商品には水素化油を使用していません。」

現状では、「ナチュラル」の表記に関する規制はありません。
肉類に関しては、農作・畜産物を担当する農務省(USDA)が「ナチュラル」表記を規制していますが(アメリカ食品ラベルの読み方)、それ以外の食品に関しては、農務省でも食品医薬品局(FDA)でも連邦取引委員会(FTC)でも、規制していません。

農務省は、「ナチュラル」という言葉を以下のように説明しています(USDA Food Labelingより抜粋)。
「人工的な原料や着色料を含まず、加工工程が最小限であること。最小限の加工とは、製品の性質を根本的に変えない方法で加工すること。ラベルには、”人工的に作られた原料を含んでいない””最小限の加工”など説明を加えること。」
この定義に従うならば、遺伝子組み換え種子が入っている製品は「ナチュラル」ではないといえそうです。

実は、昨年末から、「ナチュラル」表記に関するクラスアクションが立て続けに起こっています。

  • 2010年9月:ユニリバー傘下のベン&ジェリー、ブレイヤーズのアイスクリーム
    「100%ナチュラル」表記にも関わらず、合成ココアが混入していた
  • 2011年7月:食品大手コンアグラ、ウェッソン・キャノーラ油
    「100%ナチュラル」表記にも関わらず、主原料が遺伝子組み換え種子であった
  • 2011年8月:ケロッグ社傘下のカシ、ゴー・リーンのシリアルとTLCのシリアルバー
    「オールナチュラル」「人工成分一切なし」表記にも関わらず、原料のほとんどが合成成分か人工的に加工処理されたもの(モリブデン酸ナトリウムやフィトナジオンなど)であった
  • 2011年9月:ノニフーズのビスコッティ
    「オールナチュラル」表記にも関わらず、アルカリ、グリセリン、第一リン酸カルシウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、モノグリセリド、ジグリセリドなど合成成分が混入していた
  • 2011年9月:ペプシコ社傘下のネイキッドジュース 
    「GMO(遺伝子組み換え)未使用」表記にも関わらず、遺伝子組み換え種子が混入していた、「100%ジュース」「100%フルーツ」「オールナチュラル」表記にも関わらず、ファイバーソル2、フラクトオリゴ糖、イヌリンなどの合成成分が混入していた
  • 2011年10月:トレーダージョーズのクッキーやアップルジュース
    「オールナチュラル」表記にも関わらず、合成成分が混入していた
  • 2011年11月:ペプシコ社傘下のネイキッドジュース
    「オールナチュラル」「100%ジュース」表記にも関わらず、アスコルビン酸、酸化亜鉛などの合成成分が混入していた
  • 2011年11月:キング・アーサーの小麦粉 
    「オールナチュラル」表記にも関わらず、アスコルビン酸、リン酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウムなど合成成分が混入していた

いずれのケースも未だ結論は出ていませんが、弁護士事務所はこうした「ナチュラル」に関するクラスアクションを”トレンド”とみなし、今後も続くと見ているようです(Stole RivesLaw360)。

この”トレンド”を止めるには、FDAが「ナチュラル」の定義を明確にするしかありません。

その第一歩となり得るかはわかりませんが、FDAは今月、「オールナチュラル」の冷凍食品会社であるアレクシア・フード社に対し、警告文書を送っています(FDA Warning Letter)。
同文書によると、「オールナチュラル」と表記のある同社のポテト・マッシュルーム製品に合成保存料であるピロリン酸二水素二ナトリウムが含まれていた。FDAは”本来その食品に含まれていない人工的・合成成分を一切含有・添加していない”ものを「ナチュラル」と考えているため、同社の表記は虚偽且つ誤解を招く恐れがあるので対処するように、とのこと。
同社の他製品でも同様の状況が起こっていないか確認するように、とも記載されています。

文書にあるFDAの「ナチュラル」に関する定義が、遺伝子組み換え種子を認めることになるかはわかりませんが、無法地帯となっている食品の「ナチュラル」表記に何らかの抑制機能が働く可能性はありそうです。

関連記事:
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エコだけどうるさいサンチップスの袋、大論争の末に改良版が登場
アメリカ食品ラベルの読み方
USDA(米農務省)認証 オーガニック

記事リソース:BakeryandSnacks.com / Courthousenews.com(PDF)

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ウエブサイト:http://www.fritolay.com/

2011/12/28


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